[アップデート] AWS Compute Optimizer が 80 種類の新しい Amazon EC2 インスタンスタイプをサポートするようになりました
こんにちは!AWS事業本部のおつまみです。
みなさん、AWS Compute Optimizer使っていますか?
コスト最適化には、有効化必須のサービス AWS Compute Optimizerに関するアップデートがあったので、ご紹介します。
3行まとめ
- AWS Compute Optimizerが80種類の新しいAmazon EC2インスタンスタイプをサポート対象に追加。
- 新たにサポートされるタイプには、最新世代のコンピューティング最適化、メモリ最適化、ストレージ最適化、およびGPU搭載インスタンスが含まれる。
- この追加により、Compute Optimizerがサポートするインスタンスタイプの総数は779に達し、ユーザーはより多様な選択肢からコスト削減と性能向上の機会を得られるようになった。
AWS Compute Optimizer とは?
AWS Compute Optimizer は機械学習を利用して使用状況を分析し、コスト削減やパフォーマンス向上など利用効率を最適化するための推奨事項を提供するサービスになります。
運用中のワークロードで、最適なリソースサイズを選定する場合など役に立つサービスになります。
詳細はこちらのブログをご参考ください。
新たにサポートされるインスタンスタイプの詳細
今回のアップデートで追加されたインスタンスタイプは、最新のテクノロジーを搭載した多様な種類を含んでいます。
以下が主要な追加インスタンスタイプです。
1. コンピューティング最適化インスタンス
- c7i-flex: 柔軟な構成が可能な最新世代のインテルベースインスタンス
- c6id: ローカルNVMe SSDを搭載したインテルベースのインスタンス
- c8g: AWS Graviton4プロセッサを搭載した最新世代のARMベースインスタンス
2. メモリ最適化インスタンス
- r8g: 大規模なメモリ集約型ワークロード向けのGraviton4搭載インスタンス
- x8g: 極めて大規模なメモリ要件に対応するGraviton4搭載インスタンス
3. ストレージ最適化インスタンス
- i4i: 高速ローカルストレージを必要とするワークロード向けのインスタンス
4. GPU搭載インスタンス
- g5, g5g: 汎用GPUコンピューティング向けインスタンス
- g6, gr6: レンダリングやマシンラーニング推論に最適化されたインスタンス
- p4d, p4de: 大規模な分散機械学習トレーニング向けの高性能インスタンス
- p5: 最新のNVIDIA H100 Tensor CoreGPUを搭載した最高性能インスタンス
2024年10月4日時点の日本語版ドキュメントは変更が反映されていないので、ご注意ください。
- 英語版ドキュメント(赤枠が今回追加になったインスタンスタイプ)
注目ポイント
AWS Graviton4プロセッサ
c8g、r8g、x8gインスタンスタイプに搭載されている新しいAWS Graviton4プロセッサは、前世代のGraviton2と比較して驚異的な性能向上を実現しています。
- コア数が50%増加
- メモリ帯域幅が160%向上
- 全体的なパフォーマンスが最大60%向上
これらの改善により、様々なワークロードでより高い効率と処理能力を発揮することが期待されます。
インスタンスタイプの詳細はこちらのブログをご参考ください。
第4世代Intel Xeon Scalableプロセッサ
C7i-flexインスタンスに搭載されている第4世代Intel Xeon Scalableカスタムプロセッサ(Sapphire Rapids)は、以下の特徴があります。
- c7iインスタンスと比較して5%優れた価格性能比
- 高度な暗号化機能や人工知能アクセラレーションを内蔵
- 柔軟なコア数とメモリ構成が可能
インスタンスタイプの詳細はこちらのブログをご参考ください。
おまけ
未サポートのインスタンスタイプ
現在779のEC2インスタンスタイプをサポートしていますが、すべてのインスタンス・インスタンスタイプがサポートされているわけではありません。
以下のようなインスタンス・インスタンスタイプがサポートされていないので、ご注意下さい。
- Spotインスタンス
- 一部の特殊なインスタンスタイプ
- F1インスタンス(FPGAアクセラレーテッドコンピューティング用)
- Inf1インスタンス(機械学習推論用)
- Trn1インスタンス(機械学習トレーニング用)
- VT1インスタンス(ビデオトランスコーディング用)
上記以外にも新しいインスタンスタイプはまだサポートされていない可能性があります。
インスタンスタイプ変更時の注意点
なお、AWS Compute Optimizerの推奨に基づいてインスタンスタイプを変更する際は、以下の点に注意が必要です。
- アーキテクチャの違い
インスタンスタイプ変更時に、元のインスタンスとアーキテクチャが異なる場合は特に注意が必要です。
例えば、t3a(AMD)からt4g(ARM)へのインスタンスタイプ変更は、アーキテクチャが異なるため自動的に移行することはできません。
このような場合、インスタンスタイプの移行には以下のような作業が必要となります。
- 手動での移行作業
- アプリケーションの変更や再コンパイル
- OSやドライバーの更新
これらの作業には相当な労力と時間がかかる可能性があります。
詳細はこちらのブログをご参考ください。
- パフォーマンステスト
移行後のパフォーマンスを確認するため、十分な検証を行うことが重要です。
特に、ワークロードが新しいインスタンスタイプで期待通りに動作することを確認してください。
例えば、mシリーズ(汎用)からtシリーズ(バーストパフォーマンス)へ変更する際には、要注意です。
tシリーズはCPUクレジットを使用するため、継続的な高負荷ワークロードでは性能が低下する可能性があります。
バーストパフォーマンスインスタンス - Amazon Elastic Compute Cloud
tシリーズ変更時には、下記のような事前情報を収集した上で事前検証を必ず行いましょう。
- バーストパフォーマンス(T系)インスタンスの特徴を理解して上手に利用しよう | AWS Startup ブログ
- ちょっと待ってください!あなたが使うべきは本当にT系インスタンスですか!? | DevelopersIO
結論、AWS Compute Optimizerの推奨は有用な指針となりますが、必ずしもそのまま適用できるわけではありません。
インスタンスタイプの変更には、アーキテクチャの違いやパフォーマンスへの影響を十分に考慮し、慎重に計画と検証を行うことが重要です。
最後に
今回は、[アップデート] AWS Compute Optimizer が 80 種類の新しい Amazon EC2 インスタンスタイプをサポートするようになったことを紹介しました。
AWS Compute Optimizer は無料で利用可能ですので、是非、みなさんの環境でも有効化してチェックしてみてください。
コスト最適化のヒントを得ることができますよ!
最後までお読みいただきありがとうございました!
以上、おつまみ(@AWS11077)でした!